最後にあった日の、話しかけながらずいぶんと長く撫でていたおでこの感触や、ちいさくにゃーと鳴いた声などが蘇ってきてしまい、どうしても泣いてしまった。
だけどそのくせ、ごはんを食べて美味しいと感じたのも本当。
踊って楽しかったのも本当。
彼のためにお線香に火をつけたのに、その煙りがまだつきるまえに明日の準備をしたのも本当。
もう高いところに行ってしまった彼に心を馳せて、今は胸がしめつけられるように苦しいのも、ずいぶん泣いた目が痛いのも本当。
私はまだ生きていて、活動していて、
こうやって、命の流れの中に、いるんだなあと、思う。
そしてまた、私の心の中にいる彼の存在は、全く変わらないんだなあと気づく。ただ物質として(?)いなくなってしまっただけで。(まだ埋められた土の中に姿はあるのだけど。)
出会う事の不思議さ、奇跡的に生じた現実。命の、同じく。